現在、メガバンクの定期預金の金利がなんと 0.01% という時代ですので、将来に備えて資産を増やすために投資を始めてみようと思っている方も多いと思います。
投資の話を聞くと、儲かった話を聞くこともあれば、損をした話を聞くこともあります。
また、投資の種類も多く、何が自分に合うのかが分からず、「よくわからないし、損をするくらいなら定期預金に預けた方がよいのでは」と考えている人も多いのではないでしょうか?
今回は、どのような投資があり、どのような特徴があるのかをご紹介したいと思います。
定期預金の金利
まず、現在の定期預金の金利をおさらいしましょう。
2018年9月時点の300万円以上の預金に対する金利一覧を記載します。
こ
れをみると、銀行に預けても資産は増えないことは一目瞭然です。
単純計算ですが、金利 0.01% とは、100万円を1年間預けた場合の利息が100円(税引前)であることを示しています。
つまり、メガバンクの普通預金の金利は0.001%ですので、100万円を1年間預けた場合の利息が10円(税引前)ということになります。
金融機関名称 | 普通預金 | 定期預金 (1年) |
定期預金 (3年) |
定期預金 (5年) |
三菱UFJ銀行 | 0.001% | 0.01% | 0.01% | 0.01% |
みずほ銀行 | 0.001% | 0.01% | 0.01% | 0.01% |
三井住友銀行 | 0.001% | 0.01% | 0.01% | 0.01% |
住信SBIネット銀行 | 0.001% | 0.02% | 0.02% | 0.02% |
ジャパンネット銀行 | 0.01% | 0.02% | 0.02% | 0.02% |
楽天銀行 | 0.10% (マネーブリッジ) |
0.03% | 0.03% | 0.04% |
オリックス銀行 | 0.05% (2週間預金) |
0.10% | 0.15% | 0.15% |
じぶん銀行 | 0.001% | 0.15% (新規客限定) |
0.03% | 0.03% |
※2018年9月18日現在、税引前、年率。
この状況が好転するとは考えにくいですし、社会保障や年金制度は先行きが不安な状況です。
少子高齢化時代が加速することで、税金の負担は増えるものの年収の大幅な上昇が期待できないので、蓄えるより運用するしか資産を増やす方法はないということになります。
代表的な投資
すべての投資の種類を記載すると、数えきれないほどの種類になりますので、ここでは代表的な投資を記載します。
株式投資
投資というと、最初に思いつくのが株式投資だと思います。
上場企業の株式を購入し、価格が上がったときに売却することで利益を得ます。
また、株式を保有していることで、「配当金」や「株主優待」を得ることもあります。
会社の経営状況により株価は変動しますし、投資した会社が倒産するリスクもありますので、企業情報と併せて業界の情報を把握する必要がありますので、ハイリスク・ハイリターンといえます。
株式の購入には、ある程度まとまった資金が必要です。
FX
「外国為替証拠金取引(Foreign eXchange)」の略で、円やドル、ユーロと言った通貨の価格差を利用した投資です。
レバレッジを利用することで、少ない資金で大きな取引をすることが可能です。
通貨は日々変動するため、大きなリターンを得ることもあれば、ロスが出ることもありますので、こちらもハイリスク・ハイリターンといえます。
ただし、株式取引のように企業情報や業界情報に精通する必要はなく、取引できる通貨ペア(円とドル、円とユーロなど)が決まっており、少ない資金から始められるため、わかりやすく、はじめやすい投資であると思います。
先物取引
先物取引とは、商品や日経平均が今後上がるか下がるかを予想し、売買する取引です。
例えば、トウモロコシの収穫前に、トウモロコシを将来いくらで買うと金額を決めておいて、収穫したらその価格を支払うといったイメージです。収穫時期に、トウモロコシが不作なら、需要と供給の関係で価格は跳ね上がりますし、豊作なら作物が余ってしまうので価格は下がります。
商品先物取引は、資金の10倍程度の取引が可能ですので、株式取引と比べて少ない資金で始めることが可能ですが、かなりのハイリスク・ハイリターンな取引です。
債券
債券とは、資金が必要な国や会社などがお金を借りるために、利子の支払いや元本の返済をあらかじめ約束して発行する証書のことです。
国が発行する債券を「国債」、会社が発行する債券を「社債」と言います。
「国債」は、国が元本保証をしているため、安全性が高く、また1万円から購入することが可能です。郵便局や銀行で購入することも可能ですので、こちらも始めやすい投資の一つです。
デメリットは、あらかじめ決められた期日まで解約ができないことと利回りはそれほど高くない(0.05%程度)ことでしょうか。
「社債」は、国債よりも金利が高いですが、元本保証はしないため、企業が倒産すると投資した元本も戻らない可能性があります。
年金商品
年金商品とは、「個人年金保険」や「確定拠出年金」のことを指します。
「個人年金保険」は、年金と同じく、毎月一定額を預金し、60歳以降に給付金として受け取る仕組みです。
国債と同様に利回りはあまり大きくありませんが、ローリスク・ローリターンであるため、初心者でも始めやすい投資です。
金融機関や保険会社が経営破たんしたときに、保障されないリスクがあります。
「確定拠出年金」は、毎月の掛け金を投資信託で運用したり、定期預金に預けたり、自分で資産運用の方法を選ぶことが可能です。運用実績次第でもらえる年金の金額が決まります。
不動産
不動産収入とは、土地やマンションやアパートを購入し、人に貸すことで賃貸収入を得たり、購入した物件の価値が上がった時に売却することで利益を得る投資です。
不動産価値は大きな変動がなく、比較的安定していることより、賃貸収入を得るケースの方が多いようです。
不動産投資は、老後の不労所得が期待できますが、不動産物件を購入するための資金が必要になりますし、ほかの投資と比べると投資額が大きいのが特徴です。
リスクは、災害の影響を受けること、借り手がいないと収入が入らないことが挙げられます。
投資信託
資産運用のプロに資金を預け、運用してもらうことで利益を増やす金融商品です。最近は、証券会社だけでなく、銀行やゆうちょの窓口で取り扱いできるようになりましたので、購入しやすくなりました。
プロに運用してもらうため、購入時に手数料がかかりますし、運用中も解約時も手数料が発生します。
ただし、投資に関する知識が豊富なプロが運用するので、自分で運用するよりは安心感もありますが、それでも利益を保証できないリスクがあります。
仮想通貨
最近話題となっている仮想通貨とは、インターネット上のお金のことです。紙幣や硬貨等の実態はありません。
このインターネット上のお金は、実社会におけるお金と同様に物品の購入やサービス支払に使用できるとされていますが、現時点ではまだ可能性を秘めているものという位置づけです。
仮想通貨の管理は、国の通貨のような公的な管理者や発行主体が存在せず、専門の取引所を介して円やドル・ユーロ・人民元などの通貨と交換することができます。
仮想通貨の中でもっとも有名なのは「ビットコイン」です。他にもイーサリアム、イーサリアムクラシック、リップル、ライトコイン、ネムなどがありますが、ビットコイン以外のコインは「アルトコイン」と言われています。
仮想通貨は、価値が上がる前に購入しようとする人が多いため、値動きが激しく、一時は、1ビットコインが約200万円で取引されていました。ビットコインは、0.001ビットコインから取引できるので、少額から投資することが可能です。
ただし、最近ニュースで話題になっている通り、仮想通貨の取引所がサイバー攻撃の被害を受けることが多く、仮想通貨が盗まれるリスクがあります。
>>億り人多数で話題になった仮想通貨とは|もしかしたら近い将来大金持ち!?
投資リスクの外的要因
投資リスクの外的要因は、「為替変動リスク」と「価格変動リスク」によるものが考えられ、それぞれの投資は、下図に分類されます。
「為替変動リスク」が高く、かつ、「価格変動リスク」が高いものは、知識もいりますし、ギャンブル性のある投資といえると思います。そのかわり、得られるリターンが大きい特徴があります。
一方で、「為替変動リスク」が低く、かつ、「価格変動リスク」も低いものは、リスクが低い(堅実性が高い)分、リターンも小さいですが、初めて投資をするならば、まずはこの辺りから少しずつ初めてもよいかもしれません。
まとめ
投資の種類と、投資リスクの外的要因は「為替変動」と「価格変動」であることもご説明しました。
リスクとは「変動・変化」のことを指しますので、変動の幅が大きいものは、リスクがあり、リターンが大きいということになります。
ただし、投資はギャンブルではないので、正しい知識をもって、無理のない範囲で(大稼ぎしようと思わず)運用するのがよいと思います。
とはいえ、投資の正しい知識をもつというのは、座学で勉強するものではなく、実際に経験することで得られることが多いのも事実です。
投資は必ず資産を増える保証がなく、選択を間違えると損はでます。その損をどの程度まで許容できるのか、損切りの決断ができるかどうかがカギになります。
月並みですが、まずは少額から始めて、様々な経験をするのがよいと思います。
投資を始めると、経済や政治、海外情勢に自然と関心が出るようになります。
投資リスクは外的要因が大きく、自分の力ではどうにもならないことが多いため、対策はリスク分散しかありません。
例えば、ハイリスクのFXや株式投資を行いながら、ローリスクの個人向け国債を購入するなど。
せっかく投資をするので、利益を得たいですし、楽しみながらやりたいですね。